美味しいコーヒーの淹れ方
2017.11.1
以前こちらでもご紹介したコーヒーショップ「サンデーズー」でドリッパーの違いを楽しむコーヒー教室が開かれました。今回のstyleではその様子をレポートします。ドリッパーだけでなく、淹れ方のコツや豆の保存の仕方など、お家でコーヒーを楽しむための豆知識がぎっしり詰まったレクチャーでした。
講師はサンデーズーのオーナー奥野さん。参加者は4名。少人数制で和やかながら濃密な1時間半でした。
今回はケユカの4種類のドリッパーを使用して、同じ豆でどれくらい味の違いがあるかを体験。まずは、豆を入れずに一人分200CCの水がどれくらいのスピードで落ちるのかを計測してみました。
bulge コーヒードリッパー ¥1,800(+税)
ワイヤー形状のspiraと、同じ円錐形のcurva、3つ穴のbulge、一つの穴のアネッロを比べてみます。
結果はspiraが最速の30秒に対して、blugeが2分30秒。アネッロは4分近く時間がかかることが分かりました。
この時間の違いが味にどう影響するのか。まずは、それぞれ別のドリッパーを選んで自由にドリップしてみました。
普段、自分の淹れているコーヒーの味とは違うことに気づいた参加者のみなさん。自然とドリッパーや淹れ方について質問が出ます。
ワイヤー方式のspiraはペーパーが側面に当たる面積が少ないため、ネルドリップに近い方式で落ちる速度も早いのに対して、一つ穴方式のアネッロはゆっくりと時間をかけて落ちていきます。「ゆっくりとお湯を注ぐのとは違うのですか?」という参加者の方の質問に対して、「豆がお湯に浸かっている時間が変わるため、お湯を注ぐ速度とは違うんです」と奥野さん。落ちる速度の遅いドリッパーは成分も多く抽出される代わりに、苦みや渋みも出てくるとのこと。ただし、それは良し悪しではなく、あくまでも好みの問題と奥野さんは言います。
2回目のドリップはひとりずつ、それぞれに淹れ方のアドバイスをしていきます。
コーヒーをおいしく淹れるコツはお湯の温度と蒸らしがポイント。お湯の温度には95度派と85度派があるそうですが、奥野さんは85度派。高い温度だと酸味が強調されるのに対して、低い温度だとまろやかな味わいになるそうです。
蒸らしは30秒。そして3,4回に分けてゆっくり細くお湯を注ぐのがポイントとのこと。
蒸らしの30秒の時間が思ったよりも長いことに驚く参加者のみなさん。ゆっくり注いでいるつもりでもついつい速くなってしまうものだと奥野さんは言います。参加者のみなさんは、あらためて時間を測ったり、指摘されて初めて自分の癖に気づいたようでした。
spira コーヒードリッパー ¥1,400(+税)
それぞれがドリップしたコーヒーを参加者全員で飲んで、同じ豆、同じ淹れ方でも味が変わることを体験しました。こうして違いを比べてみることで、あらためて自分の好みの味に気づいてきたようです。
ドリップを待つ間に、豆の保存方法が話題に。冷蔵庫で保存している人も多いですが、挽く前の豆の状態の場合は冷暗所での保存が基本。一ヶ月程度の長期保存の時は冷凍庫で保存しても良いそうですが、通常は冷蔵庫で保存することはお勧めしないそうです。活性炭と同じように冷蔵庫の匂いを吸収してしまうそうです。また、挽いた状態の豆は1週間程度で使い切った方が良いそうです。
アネッロ 珈琲ドリッパー ¥3,000(+税)
もうひとつ、ドリップのコツはお湯が途切れる前にお湯を足すこと。お湯が途切れてしまうとアクが下に落ちてしまうそうです。なので、最後も落ちきる前にサーバから外した方が良いそうです。また、ゆっくり注ぐのが難しいという参加者の方に対して、ゆっくり落とすには専用のポットは絶対に必要と奥野さん。
徐々に打ち解けて、参加者のみなさんの日頃のコーヒーに対する疑問に奥野さんが丁寧に答えていきます。
この日はプロ用のドリップポットとケユカのドリップポットを順番に使い比べてみました。プロ用は直接火にかけられなかったり、お手入れが大変なのに比べて、家庭用にデザインされたケユカのドリップポットは使い勝手がよく、気軽にお家で使うには重宝します。女性の方でも扱いやすい重さでバランスもよく、奥野さんも「ドリップしていて疲れない」と太鼓判を押してくださいました。気分によってポットを使い分けるのも面白いかもしれません。
Dorfe コーヒーサーバー 600 ¥2,300(+税)
中には手動で豆を挽いているという参加者さんも。豆の硬さによって粗さが変わってしまうことを悩んでいるそうです。奥野さんのオススメは電動式。調整した通りに挽けるし、スピーディーで一度に何杯分も挽くことができます。一度電動を使ってしまうと手放せないとか。
お湯の温度を調整したり、ゆっくり注いだりと、心を鎮めて時間をかければ美味しいコーヒーになると奥野さん。でも、あまり難しく考えすぎずに楽しむことが一番ですとおっしゃっていました。
最後にお土産のオリジナル腕時計をつけ、全員で記念撮影してお開きになりました。あっという間の1時間半。日頃の疑問も解決した濃密な時間に参加者のみなさんも笑顔でした。
今回はドリッパーの違いについてでしたが、さらに豆の挽き方の違い、種類の違いによっても、もちろん味は変わります。コーヒーの奥深さを感じるひと時でした。
sunday zoo coffee tasting stand
東京都江東区平野2-17-4
電話:080-4149-0226
金・土 10:30〜18:00
日 10:30〜16:30
定休日:月〜木
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